「って事で田中さんヨロシク」


れいな 「・・・お湯が出ん」


僕 「はぁー? マジで? 給湯器ぶっ壊れた?」


れいな 「・・・このままではれいなの手が凍ってしまう」


僕 「いやいやいや、皿洗いで手は凍らないから」


れいな 「ホラ、れいなの手 メチャメチャ冷たいやろ?」


僕 「冷てぇー・・・ でも凍らないから」


れいな 「まぁ凍らんけど、お湯が出ん事には手が冷たくなってしまうけん洗う気が起きん・・・」


僕 「んー・・・ 今日だけ我慢して洗ってくんない? 俺も手伝うからさ」


れいな 「えー」


僕 「じゃあ今日は俺がやるから、給湯器が直ったられいなやってくれよ」


れいな 「えー」


僕 「えー じゃねぇっての」


れいな 「あはは 大丈夫、直ったらちゃんとやるけん安心して」


僕 「はは、頼むよ ・・・じゃ後は俺がやっとくから」


れいな 「あ、ちょっと待って まだ洗わんで」


僕 「ん?」


れいな 「・・・れいなの手、暖めてくれん? まだ冷たいままやけんさ」


僕 「あぁ、いいよ 握ってればいいのかな?」


れいな 「ぅん」


僕 「・・・」


れいな 「・・・」


僕 「ってかさ、俺の手って常時冷たいんだよね」


れいな 「・・・」


僕 「こんな手じゃれいなの冷たくなった手を暖めらんないっていうね」


れいな 「・・・」


僕 「ったく役立たずだな俺の手は」


れいな 「・・・でも、手が冷たい人は心が暖かいんやろ? れいなのママが言ってた」


僕 「あー、なんかそういうのあったよね」


れいな 「心が暖かければそのうち暖まると思うとよれいなは」


僕 「あー、なるほどね んじゃもぅちょい・・・」


れいな 「・・・」


僕 「・・・」


れいな 「・・・」


僕 「・・・」


れいな 「・・・」


僕 「・・・あれ? お湯が出た」