株買え


僕 「つい2日前の事なんだけど、高校へ行く機会があったんだよね。男女入り乱れの共学。まぁ共学とは言っても生徒はおろか人の気すら皆無の校舎は部活で流れた汗と涙と血の残り香と近隣住宅の夕飯(カレー)の匂いがした程度。ふらふらと寄ってみたグラウンド横の部室前にはサッカー部の給水道具が放置されてて「これじゃ砂が入っちゃうよ」と思った俺は「せめて下駄箱の上にでも置いてやろうか」と偽善者面してカゴを持ち上げた時に各自で書いたのか筆跡違いでオレンジ色のコップに名前が書かれてる事に気付いたんだけど、そのうちの1つに不覚にも笑っちゃったんだよね。



 株
 買
 え



自分のコップに自分の名前を書かずに「株買え」ですよ。いくら株ブームの平成18年の日本とは言っても斬新過ぎるだろ! と思ったのも束の間。なんとそれは俺の勘違いで、正しくは・・・



 林
 貴
 之



この場合、俺が悪いのか、林くんが悪いのか、林くんの親が悪いのか 考えを巡らせるのがセオリーなんですが、これは世の中が悪いね、株ブームが悪い。俺も林くんも林くんの親も悪くない。

・・・って、さゆ 聞いてんの?」



さゆみ 「ねぇねぇ、ガリガリ君っておいしいの?」


僕 「ん、あぁ これ? うまいよ」


さゆみ 「一口ちょ〜だい(はぁと)」


僕 「ん」


さゆみ 「ん・・・ あ、シャリシャリするんだね ガリガリ君って ガリガリ君なのに」


僕 「もっと豪快にいくとガリガリ君になるよ」


さゆみ 「コレ、何味なの?」


僕 「コレはソーダ味 俺はグレープフルーツ派なんだけどね」


さゆみ 「チョコレート味って無いの? おいしそうじゃない?」


僕 「くかかっ・・・!!!」