ガラスの靴を履いたなんとか

れいな 「ん、ダメ・・・ 入らん・・・」


僕 「そっか、ダメかぁ・・・ れいななら きっと履けると思ったんだけどなぁ」


れいな 「れいなの足が入らんってどんだけ」


僕 「・・・キッズか」


れいな 「エッグやない?」


僕 「まさか(笑)」


れいな 「あーぁ、れいなはもう大人になってしまったっちゃねー」


僕 「あはは(笑) 何だ急に(笑) 大人は嫌なん?」


れいな 「ときどき」


僕 「でもさ、1年前のれいななら きっとこの靴履けたのかもね」


れいな 「1年前? ・・・どうやろ?無理やない?」


僕 「じゃあ2年前なら」


れいな 「それはもっと無理やね」


僕 「?」


れいな 「そのガラスの靴、れいなは履けんかったけど、世界にはぴったり履ける人がきっと何人もおる」


僕 「・・・いるのかな?」


れいな 「絶対おるよ でも、一生のうちに1人の人が会える人の数って限られてると思わん?」


僕 「まぁれいなはコンサートなんかで僕なんかより何倍も多くの人に会ってるんだろうけど」


れいな 「あれ毎回同じ人達やけどね」


僕 「(笑)」


れいな 「だけん、履けるのに出会えんかったらそこでお終い ってか始まりもせん」


僕 「儚ぇー」


れいな 「もう少し2人が早く出会って、距離を縮めてれば履けたかもしれんね」


僕 「んー・・・ いや、履けないだろ」


れいな 「?」


僕 「そんな早く出会っていても、まだガラスの靴は落ちてないだろうし」


れいな 「・・・エステールって感じやね」


僕 「は?」


れいな 「“ロマン輝く”って事」


僕 「お前何歳だよ・・・」


れいな 「なんと今年で19歳!」


僕 「立派な化け猫だな」


れいな 「猫やないし!!」


僕 「あ、そうだ 今ちょっと閃いた」


れいな 「なん?」


僕 「ちょっと手貸して」


れいな 「え? 右?左?」


僕 「いや、どっちでもいいよそれは」


れいな 「じゃあ・・・ 右で」


僕 「それではこの右手に靴を・・・っと」


れいな 「え?あ、ちょ・・・ 嫌ッ!」





すぽっ!





僕 「・・・は、入った」


れいな 「祟ると〜」