初夢シンドローム×3

僕 「なぁんだ(笑) 金髪じゃねーし(笑)」


舞美 「金髪(笑) なんで(笑)」


僕 「俺の初夢 金髪の舞美が梅田と一緒に俺を嘲笑してた(笑)」


舞美 「なにそれ最低だね私達(笑)」


僕 「だから舞美の真っ黒な髪を見て実は安心した(笑)」


舞美 「あ、そう言えば私、これから美容室で金髪にする予定が入ってるんだった(笑)」


僕 「それはキャンセルで(笑)」



高校を卒業して以来なかなか会う機会に恵まれなかった舞美を上手く誘い出したにも関わらずヨドバシでIEEE1394接続のHDを買うなどあまりデートらしいデートができてる訳では無いけれど、二人だけの時間はとても順調にそして誰にも気付かれる事無く静かに経過していた。

時間の経過を忘れていた二人を気付かせたのは狭い夜空と下品なネオン。



舞美 「なんだかホントに初夢の通りになっちゃってるなぁ・・・」


僕 「マジで? どんな初夢だった?」


舞美 「男の子と私が二人だけで遊んで、飲んで・・・」


僕 「(笑)」


舞美 「やっぱり初夢が正夢になるってホントなんだね」


僕 「じゃあやっぱり舞美は金髪になっちゃうのか(笑)」


舞美 「なっちゃうんだよきっと」


僕 「マジかー(笑)」


舞美 「だって私の初夢も正夢になっちゃってるんだもん」



そう話しながら舞美は何度目かのリダイヤルを取り消し、鳴らなかった携帯電話の電源まで切って鞄の奥に突っ込んだ。

狭い夜空と下品なネオンが今度は逆に時間の経過を忘れさせる。