新垣モーニング愛


観覧車の中で里沙が僕に不安な事を話してくれたけど、里沙は不安な事よりも楽しい事の方がたくさんあるみたいで、結局笑いながら一番高い所に到着した。僕は別に一番高い所で何かを里沙に伝えるつもりは無かったんだけど、外の景色を観ている里沙がかわいかったから僕はついつい言っちゃったんだ。



「好きです」って。



まだ周りは昼間で明るいから全くカッコがつかない。告白に適した時間帯なんてのがあるとしたら、きっとやっちまったぜな時間帯になると思う。でも不思議と焦りや後悔は無かった。というか、きょとんとした里沙の表情しかその時の記憶が無い。「何?どぅしたのイキナリ・・・」なんて言葉はなく、少し考えた様なそぶりをした後、里沙はゆっくりと落ち着いて口を開いた。



「ごめんね」って。



ここで僕の気持ちは本当だって事を示すためにもぅ一歩踏み出そうとしたけれど、里沙の言う”ごめんね”の意味がわかった僕は「そっか・・・」とちょっと落ち込んだ顔をしてみた。すると里沙は「な〜にそんな顔してんの〜」と、わざとらしいくらいのテンションで僕の肩を叩いた。僕もわざとらしいというか、わざとテンションを上げて里沙と一緒に残りの時間を楽しんだ。


観覧車から降りた瞬間に観覧車のネオンが点灯した。気がつけばもぅあちこちでネオンが目立つくらいの薄暗さだった。いつもなら夕飯のニオイがしてくる時間帯なんだけど、今日は違うニオイがする。ってか、里沙のニオイがする。なんでこんないいニオイがするんだろう?って、さっきの事も忘れて考えていた。僕はバカか。僕はヘンタイか。


どうやら里沙は帰らないといけないらしくて、夕飯を食べる前に僕らは別れた。一人で電車に乗って家まで帰ってきたら、もぅ辺りは真っ暗。なんかもぅ里沙との仲良し友達ライフも終わりなのかな・・・って思うと頭の中も真っ暗。いや真っ白。



ピリリッ ピリリッ・・・



「ん? メール・・・?」



今日は楽しかったです。そしてありがとうございました。というか、ごめんなさい。私はずっとモーニング娘。を続けていたい。でも、いつか私よりモーニング娘。が好きな子が入ってきたら、モーニング娘。を卒業してもいいかなって思います。それまでさっきの言葉は心に留めておきます。私がモーニング娘。を卒業したらもぅ一度言ってください。新幹線の一番高いところで。  -里沙-



「・・・だから観覧車だっつーの」