たまにはオレオレ話でもさせてよ


夏休み後半に同じクラブの女子と付き合い始めてまだ間もない高2の2学期はまだちょっと夏の匂いが教室には残ってたんだけど、sexのsの字すらまだまだのお子様カップルこと僕達は別々のクラスで別々の授業を受けていた訳で。ただ、僕のクラスだけ授業中だというのにそこかしこでひそひそ話ではなく会話が聞こえてくるのは何故かと申しますと、あまり良い噂を聞かない高校だからという訳ではなく、地元じゃ結構有名な進学校の自習という滅多に有り得ない機会だからであって、普段はマジメに授業を受けているヲタクっぽい彼や学級委員より学級委員っぽい彼女まで口を開いちゃってる。とは言うものの、隣のクラスでは通常の授業を通常通り行っている訳で、我が進学校の生徒は多少声のトーンを落としたり、大声で笑うのを堪えたり、下ネタ禁止などの個人的な自粛を踏まえた上での自習をそれぞれ楽しんでいる2年3組の廊下側の席(僕の目の前)には”ヤリマン”で有名な女子(以下:N)が机の上に座り、ビビッドな緑色のパンツを覗かせて存在感を表している。Nと僕は幼稚園、小学校、中学校が一緒&親が仲良し&高校1年時にはクラスが一緒だったという程のご縁がありまして、僕が同じクラブの女子と付き合い始めたというプチ情報もキャッチしていた訳で、自習時間中にこんな会話が交わされたんです。



N 「・・・で、どうなん?」


僕 「は? どうなん?って・・・」


N 「あの子とはどうなの?」


僕 「あぁ、まぁフツーに」


N 「ところであの子は”姫”なの?」


僕 「あー、どーなんだろうね?」


N 「1年の時も付き合ってたしね・・・ 中学でも2人付き合ってたらしいし・・・」


僕 「あぁ、元カレは知ってるけどね」


N 「ねぇねぇ、あの子って姫なの?」


女子A 「え・・・ し、知らない・・・」


僕 「ちょっと! 同じクラブの人に聞くなよ!」


N 「ってか、同じクラブの人がいるクラスでこんな話してるんだから一緒でしょ」


僕 「あぁ確かに」



「あの子は”姫”なの?」という問を投げられた後に今まで全く気にしていなかった”彼女が処女かどうか”が気になっちゃって、その夜彼女の家(まだ携帯が全普及してない古代ジパング帝国なので)に電話してみたんだけど、彼女は「外出し(勘違いしないように)てるから」と、2人いるお兄ちゃんのうちの1人に言われ続け、22時過ぎても電話には出なかった。21時までのシンデレラ。21時からは何デレラだよ!と、矢口世代の僕は思う筈無いんだけど、22時になってもまだ帰って来ない彼女に対してエンタメレストランの井戸田潤並みにイライラしてた(って、それはしてないんじゃないの?というツッコミはナンセンス)。メトロな高校生にとっての22時なんてわっきゃない(z)だとは思いますが、ウチはなんせ大都会のうさちゃん達が住む東京という日本の首都から山越え谷越えの田舎都市なもので訳が違うのだよ!訳が!という突如噴出した処女かどうかというなんだか無性に空しい心配もよそに、22時半なんていう深夜(LUNA SEAじゃない方)の時間帯にかかってきましたよ、電話が。



彼女 「ごめんね、何回も電話してたんだって?」


僕 「ん、あぁ こっちこそごめん、お兄ちゃん迷惑っぽかったね」


彼女 「お母さんと温泉行ってたの」


僕 「温泉・・・ なんだ温泉か・・・」



平日の22時半までママンと温泉につかってるなんてどこの温泉大使だよ!って粋なツッコミが出来る技量を持ち合わせていなかった僕は「温泉なんて嘘で、男と会ってたんじゃねぇの?」なんて事は純粋無垢な高校2年当時の僕はこれっぽっちも思いませんでした。だって、ねぇ?



彼女 「何? どうしたの?」


僕 「あー、んとね あのね、”姫”なのかなーと・・・」


彼女 「??? 姫? 何?姫って」


僕 「ヤッた事あんのかなーと・・・」



・・・なんとストレート且つ下品な会話でしょうか。高校2年生と言えば歳相応な話題かと思われますが、22時半という夜の素敵な時間帯に恋人が電話で交わす会話では無い事は電話中の高校2年生当時の僕も薄々感じていました。ところが、帰って来た答えはあま〜〜〜〜〜〜〜くはないものの、アイドルで言う所のこういう時はこう言っておけ!的な傾向と対策、模範解答のようなものでした。



彼女 「な〜んだ 私のそういう事気にならないのかと思ってた」


僕 「いや、なんとなく・・・」


彼女 「そういうのした事ないよ あ、でもこの前したような事はあるけど・・・」


僕 「あ、そうなん? よかった・・・ って、よかったのか?」


彼女 「気になってる事は何でも言ってくれればいいのに」



「そういうのした事ないよ」とただ単に否定するだけでなく、「でもこの前したような事はあるけど」と、感じの良いリアリティを加える事で・・・ってそんなんどうでもよくて、結局のところ、真実はイッチャイチャしたり、元カレの友人から言われるまでわかんなかった訳で、言葉にしても何にしても真実であろうと嘘であろうと信じるか信じないかでどうとでも取れるの。ってそんなん当然か。誰も彼もが知ってんねん。





211 :名無し募集中。。。:200X/03/06(月) 15:12:54.61 0
    ガキさんは彼氏持ちだよ