12歳の誕生日までに人間の雄と契りを交わす習わし

reign2006-04-06



僕 「正直、最初は何で言ってくれなかったの?って思ったんですけど、梨沙子の気持ちを考えると納得しました。まぁ納得なんてできないんですけど納得せざるを得ないってヤツですか。 ・・・多分ですけど、梨沙子はずっと言おう言おうと思ってたんでしょうね。って、分かりませんけどね。なんかそんな気がします。友達に二人は通じ合ってなかったんだねって鼻であしらわれながら言われたんですけど、まぁ言い返せませんでした。事実なんで。でも、みんなそういうモンじゃないっすか。隠してるっていうか、言わない事で関係が保ててるっていうんですか?なんか悪い言い方になっちゃいましたけど。 そもそも、12歳になると魔法が使えるようになるなんて言われても、何言ってんの?ってのが普通だと思いませんか?さすがの俺も普通っていうか一般的な思考回路は持ち合わせてますから、魔法なんて信じられないですし、もし信じられたとしても12歳の誕生日(4月4日)になったらバイバイなんて事言われたら言われる前と同じように好きでいられるか分かんないですよ正直言って。 結局、梨沙子が言わずにいてくれたおかげでバイバイって言われるまで梨沙子をずっと好きでいれた部分がやっぱり少なからずあったと思います。そして、今だから言える事なのかもしれないっすけど、バイバイした後もやっぱり好きな気持ちは変わってないんです。というか、余計好きになっちゃいました。これが本場の魔性の力ってヤツですか。 何なんすかね、人間って。本当によくできてますよね・・・ はは。」



先生 「・・・ん、でもまぁ菅谷もできる事ならずっと一緒にいたかったみたいだな、これを見ると」



僕 「何で分かるんすか?」



先生 「これは菅谷の消しゴムなんだが・・・ ケースを取ってみなさい」



僕 「・・・なんすかこれ?」



先生 「消しゴムに名前が書いてあるだろう? 知らないか? 結構昔からあるんだぞ、そのおまじない」



僕 「・・・」



先生 「その消しゴムは君にやるから 大事にするんだぞ」



僕 「・・・先生」



先生 「体操着はやらんぞ」